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ホミン小説

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Breeding Poison 27

6月19日 京セラドーム二日目


今日は朝から父さんも親父も上機嫌だった

一昨日、僕の様態を探ろうとし、昨日も僕に対する視線に疑惑の色を隠せなかった親父だが、夕べ何があったのか、一晩で人が変わったように優しい顔つきで僕に接してきた。

父さんの方も、僕に対して嫉妬の目線を向けていたのに、昨日あたりからまるで何も無かったように僕に接している。

まあ、何かあった時に僕に対して敵意をむき出しにされるよりマシだ。
特に気にも留めず、僕は今日も会場警備の下見に向かった。




「あ、ミヤコ。お疲れっ」

特製ドリンクとミネラルウィーターを入れたカゴを持ったマリさんは、オープニングの衣装を手にしたミヤコさんを見つけ、声をかけた

今日はちゃんとハチミツは溶けてるのかな?
そんなくだらない事を考えていると、ミヤコさんは特製ドリンクの入ったボトルをじっと見て言った

「そのドリンクって、蜂蜜とレモンが入ってるのよね」
「そうよ。飲む?」
「ううん、いいわ。それより蜂蜜とレモン。それぞれ消臭効果があったわよね」
「そうね。蜂蜜の方は、アミノ酸と結合しないとダメだけどね。でも何でそんな事聞くの?」
「うん、チャンミン君って凄く汗かくでしょ?もともとそんなに体臭がきつい方じゃないけど昨日はぜんぜん汗臭くなかったの」
「へ~、じゃあ、このドリンクの消臭効果、実は期待出来たりして」
「ユノ君よりチャンミン君のほうが汗かきだからね。ドリンクを飲む量も多いからそのせいかな」
「よし、じゃ今日はユノ君のボトルはミネラルウォーターだけにして実験してみる?」
マリはいたずらを楽しむ子供のようにウィンクしてステージにボトルを置きに行った。




メイク室

「ユノ君、珍しいね。今日は剃り残しの髭、1本も無いわ。しかも、綺麗にそれてる。シェーバー変えた?」
「いえ、変えてませんよ。ホテルに備え付けのです」
「え?そうなの?」
「はい」
「ふ~ん、そうなんだ」
何かが気になったのか、ミルはじっと父さんの顔を覗き込んだ

「しっかし、チャンミン君の肌はツルツルやなぁ」
「いや~、サナエさんには負けますよ~」
「チャンミン君、うまいなあ・・・。よっしゃ、今日は長崎チャンミンおごったるわ」
「それ、僕のギャグです!!サナエさん、上手いなぁ!」
「ところで、今日のケータリングはマジで長崎ちゃんぽんやって。楽しみやろ」
「はい!楽しみです!」
「けど、加減してや。食べすぎたら、また吹き出物でるで」


ふたりを巡り、何時もの様に他愛も無い会話が飛び交う

何もおこらない・・・

気持ちが悪いくらい、何も起こらないし平和だ・・・・

「2人ともそっち終わったら血圧測ってね。」
ナースのナツキが言った。

ドームでのライブは半端なく体力を消耗するから、ライブ前の体調管理は必須だ。
アンコール曲はダンスナンバーじゃなくて良かったとMCで言っていたが、見ていてよくわかる。
でも、昨日の父さんを見ていると京セラ初日という意気込みもあったのか、パワー全開でもまだ余裕があるように見えた。

「はいっ!チャンミン君、ベッピンさんになりました」
ヘアメイクを終えた父さんが、ナツキのもとへと向かう。
「はい、座ってね」
血圧計を腕に巻き計り始めるナツキ

「ん?」
「どうしたんですか?」
「あ・・・・何でもない。」
「何か?」
「ううん、血圧きわめて正常。脈拍数も異常なし!昨日ハードだったから少し高めかなって思ったけど、昨日と血圧、脈拍ともピッタリ一致。凄いね。コレってなかなか無いよ」
「若いから、回復が早いんです」
父さんはわざと茶化すような口調で言った。

その頃親父もヘアメイクを終えてニャゴさんの所にいた。
「うん、昨日あれだけ走り回ったけど、足の方は大丈夫ね」
「ありがとうございます」
「怪我する前より筋肉のバランスが良くなってる。ボクシングって体全体のバランスをよくするのかしら」
「サンドバッグ相手にパンチしてるだけなんですけど、やっぱり動くもの相手だからでしょうか」
「そうかもしれないね。本来なら怪我した右足を庇うから、左足の筋肉の方が強化されるはずなんだけど、ユノ君の場合はそれがないわ。昨日までは若干左の方の筋肉があったような気がしたけど、今日は完璧。よし、今日も頑張って!」
ニャゴの言葉に、オヤジはニコリと笑って頷いた。

ヘアメイクが終わって、大阪の番組の取材の後
親父達はケータリングのコーナーで食事を採る事になった。
先程サナエさんが言ったとおり、今日は長崎ちゃんぽん。

「やった!チャンミン!チャンミン!」
「あはは、ちゃんぽんだろ?」
「俺は長崎チャンミンだ~!」
「それ、もう封印したじゃん」
まるで掛け合いの夫婦漫才を見ているようだ。

二人を笑いながら見ていると、父さんが僕を見て言った。
「君も一緒に食べようよ。」

え?父さんがそんな事言うなんて初めてだ。僕に対する嫉妬は微塵も見られない。

「そうだね、いつも俺たちの側で警備の仕事をやってくれてるんだもん。今日は俺が持ってきてあげるよ」
「ユノ、やっさしい~~」
気持ち悪いくらい優しい二人。もしかしたら昨夜・・・・
いや、下世話な想像はやめよう。

「ありがとうございます。では、ヨンスさんもご一緒させていただいて構いませんか?」
「うん、構わないよ」
「じゃ、君たちが来たら準備してあげるね」
気遣ってくれる二人を後に、僕はヨンスさんを探しに行った。


行き先は見当がついていた。
僕は楽屋から給湯室へと向かった。
このドーム内にいる間は、外部からの侵入者の心配も少ないので、
若干自由な行動ができる。
ヨンスさんがいる場所、そこは・・・



「そうそう、レモンは数滴。あんまり入れると酸っぱすぎるから。ハチミツはよ~く混ぜてね。君のせいで、昨日MCで言われちゃったからね」
「これくらいですか?」
「もっとよくシェイクして、溶け残りがないか確認してね」

やはりヨンスさんはマリさんを手伝っていた。
「ヨンスさん」
背中越しに、僕は声をかけた
「あ、ユンミン君」
先に振り向いたにはマリさんだ。

「ごめんね、ヨンス君お借りしてます」
「あ・・・ユンミンさんすみません。マリさんの作るドリンクが気になっちゃって」
顔を赤らめながら言い訳するように話すヨンスさん。

邪魔だったかな・・・そう思いながらも、せっかく親父達が誘ってくれた食事なので、僕はヨンスさんにケータリングコーナーへ戻ることを伝えた。

「え?もうそんな時間?アタシも行く行く!」
マリさんの言葉に一瞬ヨンスさんが嬉しそうな表情をしたのを僕は見逃さなかった。
「じゃ、みんなで行きましょうか」
そう言って僕たちはケータリングコーナーへと向かった。



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