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ホミン小説

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Breeding Poison 22

6月2日

TVの収録の為親父は前日に帰国した。
僕達はツアースタッフとして警備に当たっている為、韓国へ帰るとなるとどうしても警備が手薄になってしまうが、今回も無事に親父は戻ってきてくれた。

それにしても、不気味なくらい全く動きが無い・・・

まさかまともな交渉手段を取ろうとしているのか?

いや・・・そんなわけは無い。
相手は犯罪組織なんだ

ツアーも残すところ9公演
このまま何も起こらず、僕達がスタッフを離れた瞬間に何か起こるんだろうか・・・・

親父達が復活公演をやれば、韓国政府のトップも変わり歴史が大きく動くだろう。
そうなれば、僕の存在自体も危うくなる

暗闇の中を手探りで進むような何ともいえない不安が僕を包んで行った




6月3日  福岡マリンメッセ リハーサル休憩中

「福岡!もつ鍋っ!ねっ!かきやん!」
父さんはバンドリーダーのかきやんに嬉しそうに話しかけた

するとかきやんは、一瞬怪訝な顔をした

「何?約束忘れたの?知人がもつ鍋のお店やってて、そこの奥さんが僕のファンだから行って欲しいって行ったじゃないですか」
父さんは少しふくれっ面で言った。

「ああ、ゴメンゴメン。実はな、あれ間違いでな」
そこへ親父がニコニコしながら現れた

「ん?どうしたの?チャンミナ」
「ユノ、聞いてよ。この前さ、かきやんがもつ鍋のお店に連れて行ってくれるっていったじゃん?」
「ああ、チャンミナだけ行くって言ったあれね」
少し皮肉っぽく親父が言う

「あれ、間違いだって言うんだよ」
口を尖らせ、まるで言いつけるように親父に話す父さん

「違う違う。間違いってのはね、もつ鍋じゃなくてハリハリ鍋だったんだよ」
「ハリハリ鍋?」
父さんと親父はまるでハモった様に同時に答えた

「うん、君達知らないかな?クジラの肉の鍋なんだ」
「クジラ?あのクジラ?」
「そう、あの海にいるクジラ」
「食べるの?クジラ」
父さんは興味を持ったのか目をキラキラさせて尋ねた

「美味しいの?」
「美味しいよ。それでね、そのハリハリ鍋なんだけど福岡じゃなくて大阪なんだよ」
「へ~っ!さすが食の街大阪だね」
「だからさ、君を連れて行くのは大阪だったって事」
「なんだ・・・じゃOK。ユノは?」
「カミさんが君のペンってのは一緒だからなぁ」

すると父さんはチラッと親父を見た

「構わないです。どうぞ行ってください」
親父はわざと冗談めいて言った

「あ、ユノ、今機嫌悪くしたでしょ」
「そんな事ないよ。行っておいで」
親父は普段通りの優しい顔に戻って言った

「公演前日なんだけど、17日が定休日なんで人目を気にせずゆっくり食事が出来るんだ」
かきやんは親父にお伺いを立てるように聞いてきた

「定休日なら早い時間から行けるんじゃない?飲み過ぎないって約束出来るなら」
「約束する!」
「じゃ、OK」
嬉しそうな父さんの顔を見て親父も嬉しそうだ

しかし、ツアーが始まってから打ち上げ以外では始めての外食。
「あの・・・」
僕は親父に声をかけた

「行きと帰りだけ警護についてもかまいませんか?」
「え?いつものボディーガードが付いてくれるから大丈夫だけど」
「お言葉ですが、今お2人はご自身が思ってらっしゃる以上の人気です。名古屋でのファンの暴走覚えてらっしゃいますよね」

僕の言葉に親父の顔が曇った

「念には念をです。それが僕達の仕事ですから」
「でも、夜だし、君達には時間外に負担をかけることになってしまう」
「何かあれば、僕達は職務怠慢となりこの職を失いかねません」
毅然とした態度で答える僕に口を挟んできたのは以外にも父さんだった

「いいじゃん。僕もその方が安心だ。ユノは優しいから僕がいない隙に、いつもありがとうって君達を食事に招待しかねないし」
「わかった、わかった。その代わり、広島のカキの店の方もよろしく」
話がややこしくならないようにと、親父は話題をそらした

するとかきやんは何の事だと言わんばかりの顔つきで親父を見た

え?また忘れてる?

すると、親父の問いに一瞬間を置いたかきやんが答えた

「すまん。今時期じゃないから旨くないんだ」
「そうなんだ。残念だな・・・」
「じゃ、お土産買ってくる。ね?かきやん。何か美味しいもの教えてね」
父さんの嬉しそうな表情に反した親父のがっかりした顔が可愛かった。

そうか・・・
コンサート中にいつも可愛いって言われてるもんな・・・
微笑みながら親父を見ていると、父さんはまた僕を睨んでいる

ったく・・・・
僕は貴方達の子供なんだよ
そんなに心配しなくても・・・
込み上げる笑いを隠すように、僕はその場を立ち去った


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