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ホミン小説

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Breeding Poison 21

先生が電話をした相手は興行主の代理人の様だった

「返事は、やはりNOだ」
「そうですか・・・ある程度予測はしていたんですがね・・・ところで会長、先日本人に直接話をさせていただきたいと申しましたら、それは構わないとおっしゃいましたよね」
「そうだな・・・しかし、君達が話をしても二人の気持ちは変わらないと思う」
「私も子供の使いじゃないんです。国家が極秘に進めようとしているプロジェクトを、本人達との交渉も無く出来ませんでしたと報告するわけには行かないんですよ。約束通り、交渉だけはさせていただきますよ」
「わかった。今ユノ君がここにいる。直接話をしてくれ」
そういうと先生は俺に受話器を渡した

電話の向こうでは、不快になるような低い冷たい声が俺に話しかけてきた

「チョン・ユノ氏ですか?」
「そうです」
「今回のお話ですが・・・」
「それは今先生を通じてお断りしたはずです」
俺は毅然とした態度で答えた

「確かに。ただね、きちんとお話をする前に断わられるのはこちらとしても納得がいかない。会長からも、交渉する事は許可を得ていますから私も権利として主張させていただきます」
相手の言い分を察したのか、先生は会うなと言わんばかりに首を振る。

「申し訳ありませんが、僕達は日本でのツアーも残っています。今貴方とそんな時間を持つことは不可能です。」
「分かりますよ。しかし、こちらとしても直接お話させていただいた上でお断りを受けるのは納得しますが、その土俵に上る前に断られるとなるとちょっと・・・・電話では埒が明かないので、後日改めて交渉をさせていただきたいと思います。その点だけどうかご了承下さい」
「分かりました。では、改めてという事で」
「ありがとうございます。では、また」
そういうと、相手は電話を切った。

では、また・・・・
その後に幽かに聞こえた鼻で笑う声・・・・
嫌な予感がおれの脳裏を横切る

「なんだって?」
「とりあえず、今はツアー中だから時間が無いと告げると、改めて交渉したいと」
「そうか・・・ツアーが終わって野王のイベントが終了すれば、しばらくは韓国だ。直接交渉の際は私も立ち会うから心配しないでくれ」
「分かりました。会長にはご迷惑、ご心配をおかけして申し訳ありません」
「ユノ君、君の事は2000年から知っている。君達は私の息子同然だ。親が息子の窮地を迷惑だと思うかね」
「先生・・・」
「とりあえず君は残ったツアーを精一杯務めて、君達のライブは最高だと言う事を、日本中、いや、世界中の人たちに見せ付けてやれ」
「はい、頑張ります」
先生の優しい瞳の奥に、僕達を守ろうとする強い意志が見えた。

そうだ・・・・今は日本でのツアーを最優先に考えよう。復活公演に関してはツアー終了後に時間を取ればいいだけだ・・・・

安堵の心情の中に僅かに残る靄のような不安をかき消し、俺は会長室を後にした






6月1日  東京 宿舎

戻った俺にチャンミナが飛びつく。
相変わらずの甘えっぷりだ。

「ユノ、先生は了解してくれたっ?」
一番の心配は、やはりそれだったようだ。

「ああ、ちゃんとわかってくれたよ。ただな?」
「何?」
チャンミナの瞳に不安の色が見えた

「いや、心配する事じゃない。プロモーターの代理が、俺が電話で断ったのが気に入らなかったらしく、後日直接話をさせて欲しいって」
「それって、大丈夫なの?」
「ああ、その時はスマン先生が一緒だって」
「そうなんだ。でも、交渉が決裂したら・・・」
「うん、その時は俺たちも覚悟を決めるしかない。」
その言葉を聞いた聞いた瞬間、チャンミナの表情が凍りついた

「でも、スマン先生は、会社をあげて俺達を守るって。チャンミナ、あの時のような辛い思い、今度は俺がさせない。ずっと傍にいて守るから」
そういうと俺はチャンミナを抱きしめた。

チャンミナの鼓動が俺の胸に響く・・・
想像を絶するほどの絶望を味わったあの暗黒の時代。
味方と思っていたペンの一部も離れて行き、家族さえもバッシングを受けたあの日々。

「大丈夫・・・大丈夫だから・・・」
小さな子供を諭すように、俺はチャンミナの頭を撫でながら再び抱きしめた。

「ユノ・・・」
「うん?」
「僕は・・・怖くない・・・」
そう言いながらも、チャンミナの身体は小刻みに震えている

「そうだ・・・俺がいる。会社も守ってくれる。そして何よりも、一緒に東方神起を守ってくれたペン達がいる」
チャンミナの瞳に希望の色が浮んだのを俺は見逃さなかった

「信じろ・・・俺を・・・先生を・・・。そして何よりも、俺達を待ってくれているペン達を・・・」

やがてチャンミナの震えは止まり、小さくコクンと頷くと
、俺の目をまっすぐ見つめ言った。

「信じるまま・・・だね・・・」


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