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ホミン小説

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Breeding Poison 14

「あ、ユンミンさん」
僕を見つけるなりヨンスさんが駆け寄って来た。
「今、アンコールの登場を聞いたんですが、ちょっとヤバイかもです」
「え?」
「客席からの登場なんで、2人から離れないようにって指示を受けました」

客席から?
多分今まで日本ではなかった演出だ。そんな事をして大丈夫なんだろうか…

僕の脳裏に不安が過ぎった



そして、公演当日。僕の不安は的中した。
客席から登場したペンたちが通路へと押し寄せてきたのだ。

父さん達に触れるペン。

親父はファンサのつもりか笑顔を絶やさないが、父さんの顔には明らかに不快な色が見えた。
僕たちも父さん達を囲むように通路を進むが、あちらこちらから伸びてくる手に正直驚いた。

混乱の名古屋公演のあとは、親父達がどうしても来たかったという宮城の公演。
大きな災害で中止を余儀なくされた時、必ずここに戻ってくるからと心に誓っていた。

会場では、亡くなった方の写真を胸に参戦しているペンの姿に目頭が熱くなる。
その思いを受けとめるるように、父さんたちも渾身の思いでステージを進めて行く。

仙台が終わると次は北海道、福井と進み、折り返し地点の東京ドームへと公演は進んでいく。
この頃になると、親父の怪我もすっかり良くなっているようで、いつもと変わらないパフォーマンスを繰り広げていた。




5月22日 東京

その日は公演の空き日
東京で残った仕事をこなしていると、スマン先生から電話があった

「ユノ君お疲れ様。足の方はどうかね?」
「ありがとうございます。おかげさまですっかり回復しました」
「それは良かった。私も日本へ行きたかったんだが、今抱えている問題でゴタゴタしてしまってね・・・」
「クリスの件ですか?」
「それもあるが・・・・。ユノ君、申し訳ないが東京ドームの公演が終わったら、一度こちらへ来てくれないか?新しい仕事の件もあるし、話しておきたい事がある」
「僕は大丈夫ですが、チャンミンの予定も聞いてみないと」
「いや、今回は君だけでいい。例の時代劇の話もあるからな・・・」
「そうですか。分かりました。ではドーム終了後の25日、韓国へ戻ります」
「急な話ですまんな・・・・よろしく緒頼むよ」
そう言うと先生は電話を切った。

いつもは豪快な先生だが、気のせいか今日は声に力が無かった。
そして、先生が最後に言った「話しておきたい事がある」という言葉が
妙に心に引っかかっていた。

気が付くと隣にはチャンミンが来ていた。
「スマン先生?」
「うん」
「何の用だったの?」
「チャンミナ、俺25日に一度韓国に戻るわ」
「どうして?」
「例の時代劇の話、あれ決まったみたい」
「そうなの?良かった。ずっとドラマやりたいって言ってたもんね」
チャンミナが嬉しそうに笑う

「僕も一緒に帰ろうかな?」
「あはは、すぐに戻って来るし、せっかくの休みなんだからチャンミナはこっちでゆっくりすると良いよ。ほら、大好きな蒙古タンメンの店だっけ?あそこもまだ行ってないだろ?」
「あ!そうだった。その日に食べに行かないと次は大阪だもんね」
「うん、直ぐに戻ってくるから、待ってて」
俺は微笑みながらチャンミンに言った。

「話しておきたい事がある」
先生が言ったその言葉を胸の内に隠して・・・


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