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ムソク外伝 月の章 29

ウォルヤは、ムソクの身体に自分の防寒具を羽織らせ、その身体を抱きしめていた

しかし、ムソクの身体は小刻みに震えたままだ


このままでは、兄上の体温が戻らない・・・

そのとき、ウォルヤはふと思った

二つの唇が合わさる度に、ムソクの唇は温かみを帯びて行った。ならば・・・


ウォルヤは抱きしめていた両腕をムソクから離すと、すくっと立ち上がり、おもむろに着物を脱ぎ始めた


「ウォルヤ・・・もう良い・・・」

その様子を見ていたムソクは呟いた。

そなたが着ているものまで羽織ったとて、この震えは止まるまい。

私はこのまま果てるのか

身体中の骨が全て氷になったように冷たい

ウォルヤが擦ってくれたその感触さえ、もはや私には感じる事が出来ぬ・・・・

かろうじて残っていたのは、口の中を満たす、温かな湯とそなたの唇の感触だ

この世で最後に触れたのが、そなたの唇ならば、私は本望だよ・・・


変わらず震えているムソクだったが、その両目は徐々に閉じられて行った








不思議だ・・・

さっきまで冷え切った身体が、まるで湯に浸かっている様に温かく感じる

心まで溶けていくような、穏やかな温かさがムソクを包んで行く


やはり・・・私は死ぬのだな・・・

温かい・・・

あた・・・た・・・か・・・











「兄上っ!!寝てはなりませぬっ!!」

遠くでウォルヤの声がする

「兄上っ!兄上っ!起きてください!目を開けてくださいっ!一緒に・・・朝鮮へ帰るのですっ!」


声を詰まらせながらもムソクを呼ぶ声


ムソクがゆっくりと目を開くと、すぐ目の前には大粒の涙を浮かべた綺麗な瞳があった


「兄上・・・目を閉じないで・・・」

瞳に映る自分の姿が分かるほど近い距離

ウォルヤはムソクの首に手を回し、その唇を押し当ててきた

ムソクの頬にウォルヤが流した涙が伝う



あたたかい・・・

凍てついた身体が、芯から溶けていくような感覚だ・・・

いや・・・

涙だけではない・・・?



ムソクは自分の身体を直接温めている肌の温もりを感じた



ウォル・・ヤ・・・・?



ムソクの肌に吸い付くように密着している肌が、その凍えた身体を温めていた・・・


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