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ムソク外伝 月の章 26

ムソクとウォルヤは馬に跨り、北極星の位置を手がかりに朝鮮の方へと山道を進んで行った



山間部の寒さは、想像を絶するものだった。

バイファが用意した防寒具を身には付けているが、吐く息も凍りつくほどの寒さは、馬が風を切って走るほどに2人の体温を奪っていく



「ウォルヤ、大丈夫か?寒くはないか?」

手綱を持つムソクは、後ろのウォルヤに声を掛けた


「はい・・・こうやって兄上の背中にしがみついておりますと、着物越しにでも、兄上の体温が伝わってくるようで寒さも凌げます」

僅かな月明かりさえも、時折広がる雲が覆い隠し、真っ暗な中をひたすら朝鮮へと向かう二人。

ウォルヤはムソクの背中から前に回した両手をしっかりと合わせ、二度とこの手を離すまいと心に誓っていた。


朝鮮までの道のりは遠い

だが、こうして兄上と一緒なら、その道のりがどんなに険しかろうと越えて行ける

兄上・・・これからはずっと、お傍にいても良いのですね・・・

合わせた両手にぐっと力を入れ、ムソクの広い背中に頬を押し当ててその幸せを噛み締めていたウォルヤだった





その時、ムソクの愛馬が大きな嘶きをあげた


「ヒヒ~~ンッ!」

「うわあっ!」

嘶きと共に握り締めていた両手が離れ、馬上から放り出されたウォルヤは、そのまま地面に叩きつけられた




「ううっ・・・」

激しい痛みが身体を襲う

が、すぐさまあたりを見渡し、ウォルヤは自分達の身に何が起こったか察した



横倒しになった樹が、闇に紛れて馬の足を捕らえ、大きな馬体はその衝撃に耐えられず前のめりに転倒したのだ

馬は懸命に立ち上がろうとするが、どうやら足の骨が折れたようだ

悲しげな嘶きが闇に響く




兄上!

兄上は何処だっ!



ウォルヤは懸命に目を凝らし、ムソクの姿を探した

すると、少し離れたところでうごめく人影が見えた




「兄上っ!」


駆け寄ったウォルヤは、ムソクを抱き起こした


「兄上!大丈夫でございますか?」

「だ・・・だいじょう・・・ぶだ・・・」


今にも消えそうな声で答えるムソク

頭を打ったのだろうか・・・

それとも何処かが折れたのか?

いや・・・まさか・・・

木の枝が突き刺さっているのでは?

様々な不安がウォルヤの頭を駆け巡った。

しかし、再び雲は月を覆い隠し、あたりは漆黒の闇に包まれたままで、ムソク様子を窺う事が出来ない




「兄上・・・立てますか・・・?」

「あ・・ああ・・・・立てそうだ・・・」

弱々しい声で答えるムソク

ウォルヤはムソクの腕を自分の肩に回し、ゆっくりと立ち上がった



馬は使えない

此処からは歩いていくしかないか


ムソクは、よろめきながらも、懸命に歩こうとしていて


足は大丈夫か・・・

しかし、この闇の中、兄上の様子が分からぬ

どこか・・・何処かに山小屋は無いか・・・


「兄上!しっかりなさいませっ!。きっと何処かに山小屋があるはずでございます。どうか、そこまでしっかりと気をお持ち下さいっ!」

「ウォル・・・ヤ・・・す・・まぬ・・・」

「何を申されるのです!兄上はいつも私を守ってくださった!今度は私が兄上をお守りする番です!」



ウォルヤは、肩にまわしたムソクの手を握り締めた

氷のように冷たい手・・・

それは自分の手よりも更に冷たく感じていた


そして、歩けるとはいえ、一歩を出すのがやっとの状態のムソク


その兄の身に一体何が起こっているかウォルヤには全くわからなかった


今、私が出来るのは、やっと掴んだその手を離さぬよう、そして、兄上が一刻も早く休める山小屋を見つける事

きっとどこかに炭焼きの小屋があるはずだ

それを信じて歩いていこう




だが、ウォルヤが握り締めたムソクの手は、だんだんと力が無くなり歩幅も狭くなってきていた

そして遂に・・・

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