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ホミン小説

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ムソク外伝 月の章 13

ムソクは、ゆっくりと対戦相手の待つ試合場の中央へと進んでいった


例え何があっても、誰が相手でも

私は全力を尽くすのみ

それが私の進むべき道なのだから・・・




対戦相手を見つめながら徐々にその距離を縮めて行くムソク

既に、皇帝に向かいうつむき加減にひざまずくその横顔は、朝からの試合で埃にまみれた顔を乱れた髪が半分ほど隠し、その左側には剣が置かれていた


武器は、私と同じ剣か・・・


その距離が、相手まで身体二つ分ほどになったあたりで、ムソクは皇帝の方を向き同じようにひざまずいた



2人を前に、皇帝の声が響き渡る

「いよいよ、この時を迎えた。大陸一の剣士の名、どちらが物にするか、この目で見届けてくれよう」

そして、審判に向かい手を上げた



「双方、向かい合って」

審判の合図にムソクと青年は立ち上がり、互いを向き合った

ふ~っと息を吐き、静かに目を閉じるムソク


相手からは殺気とは違った、凛とした気が伝わってくる・・・

迷いは捨てて、己の心の赴くままに・・・




「始めっ!」



審判の声に、ムソクは閉じられていた瞼をカッっと見開いた















勝たねば・・・

勝って必ずバイファとウォルに仕官の土産を持って帰らねば・・・

この剣で、ここまで勝ち抜いてきた

しかし、何も思い出すことは無かった

それならそれで良かろう

私はリンチェイ

美しい妻と愛しいわが子の父

それだけで良いではないか・・・



そしてリンチェイも目の前で瞳を閉じている美剣士に、凛とした気を感じていた

何処かで、この気を感じたことがある?

いや・・・そんなはずは無い

目の前の対戦相手は朝鮮からの使者と聞く

私は明国の人間

朝鮮国とは関わりが無い

きっと剣の道に通じる者の気なのだろう

今はただ、眼の前に居る剣士を倒すのみだ




「始めっ」


審判の声に最初に仕掛けたのはリンチェイだった


「はっ!」

一瞬にして間合いを縮め懐に切り込んでくるリンチェイ

「え?」

この太刀裁き・・・

「ふんっ!」

ムソクが交わした瞬間、すぐさま次の攻撃が襲ってくる



こ・・・これは・・・・


昔、まだウォルヤの腕力が弱かった頃
身の軽さを生かした攻撃法


次々と繰り出される攻撃をかわしながら、ムソクは相手の顔を見つめた


ウォル・・・・ヤ・・・・?





乱れた髪の隙間から、美しい大きな瞳が覗く


5年前に屋敷を出て行ったときはまだ少年の面影を残したウォルヤ

しかし目の前に居るのは、背も高く、逞しい大人の男


まさか・・・まさか・・・


必死で攻撃をかわしながら、ムソクは眼の前に居る対戦相手がまだウォルヤだという事を信じる事が出来なかった



「はぁ~っ!」

心が乱れれば、自ずと剣も乱れる

ムソクの動揺は剣を交えるリンチェイにも伝わっていた



なぜだ・・・なぜ攻撃してこない・・・



「リンチェイ!リンチェイ!」

見た目は優勢に見えるリンチェイに、会場からの声援が飛ぶ


リンチェイ?

やはりウォルヤではないのか・・・?

身体の大きさでは、ムソクの方が上回っている

そのせいか、リンチェイはなかなか接近戦を仕掛けてこない

その代わり、宙を舞い、四方から襲い掛かってくる

その攻撃を避けながら、まだ自分の心を落ち着かせる事が出来ないムソク





くっ・・・

このままでは勝負が付かない・・・

一か八か・・・


「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

それまで、接近戦を裂けていたリンチェイがムソクめがけて突撃してきた






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