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ムソク外伝 月の章 2

やがて、リンは静かに口を開いた



「このままでは何時までも踏ん切りが付くまいと、使いの者を明国に送り、あの日の事を調べさせたのだ」



リンの話によると、張家に押し入った沈家の元家臣とウォルヤは、逃げ惑う女子供と降伏してきた家臣たちを屋敷の外に逃がし、壮絶な戦いの挙句に、当主の張氏にとどめを刺した。

しかし、その際ウォルヤは、駆けつけて来た張氏の家臣に背後から切り付けられ深手を負った。

既に屋敷には火を放たれており、燃え盛る炎の中、ウォルヤは消息を絶った・・・



その後生き残った沈家の家臣達は、自ら謀反をはたらいたと名乗り出て、結果、全員斬首となった。

カン家にウォルヤの最後の文を届けた趙将軍も、その後明国へ戻り、遅ればせながら他の家臣たちと同様斬首の刑となった。
そして家臣たちと将軍の亡骸は、皇帝の命により手厚く葬られたという。

その後、皇帝の計らいで、家臣たちの家族は皆都を離れ、はるか彼方の地へ移住し事なきを得たという事だった・・・





「ウォルヤは・・・死んだのか・・・?」

ムソクは声を震わせながらリンに問うた






「致命傷の傷によってか、炎に巻かれてか・・・いずれにせよ、あの日その命は果てたであろう」





あの日・・・

ウォルヤからの最後の文を受け取った時に
既にその命が果てていたことは分かっていたはずだった・・・
しかし、その亡骸を誰も見ていない・・・

たった一つの望みを心の拠り所として、今日まで過ごしてきたムソクだった




「そなたには酷な話をしてしまった。しかしな・・・何時までも過去に捕らわれていては何も進まぬ。ウォルヤとて、この世におらぬ自分を忘れられぬそなたの事、あの世でも気がかりであろう・・・。」


リンの言葉が空になったムソクの胸に突き刺さる・・・



「ムソク、そなたの中で終わらす事が出来ぬのならいっそ供養を兼ねて明国に行き、ウォルヤの最期の場所で別れを告げてはどうだ?」


明国・・・

あの日、すぐにでもウォルヤの後を追って行きたかった・・・

しかし、代々朝鮮で重要な職務を任されているカン家にとって
明国の皇帝の親戚に当たる張家を襲撃した沈家の嫡男をかくまっていた事が分かれば
王家を巻き込む騒動になってしまう・・・・

故に、ウォルヤの後を追う事は叔父、パク・スジョンからも硬く禁じられていた





「実はな、近々明国で大規模な武術大会が開かれるのだ」

「武術大会?」

「大陸一の武術家を決める大会らしい。武器は問わぬと言うから、朝鮮一の剣の使い手として、そなたが出てはくれぬか?そのような理由があれば、そなたも公務として堂々と明国へ行くことが出来るであろう」

「リン・・・・・」

「そなたも知ってのとおり、我が朝鮮国は明国の属国として、常に見下された扱いを受けている。
しかしそんな我が国にも、明国に負けぬ剣の使い手が居るということを知らしめてやりたいのだ。
我が国の威信に賭けて、大陸一の武術家は朝鮮国にありきと、カン・ムソクの名を明国中に轟かせてやってくれ」



リン・・・・・

すまない・・・・・

公務を幾日も休み、ウォルヤとの事を終わらせる為に明国へと行く事が出来ないのはわかっていた

しかし、そのような理由なら
誰に憚る事無く、明国へと渡り
ウォルヤの最期の場所へと赴く事も可能だ・・・・



目の前の友の計らいに、ムソクは目頭が熱くなった



「よいな?武術大会では、必ずや大陸一の剣士の名を、そなたの物にしてくるのだぞ?」


「約束する・・・・必ずや大陸一の武術家の名を得よう。そして・・・、終わらせてくる」



「早いほうが良かろう・・・・準備が出来次第、明国へと発つが良い」





朝鮮王イ・リンの命を受け、全てを終わらせる為、明国へと旅立つ決心をしたムソクだった・・・・・







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