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Breeding Poison 37

6月20日 大阪 宿泊ホテル

今日は公演の中日
今ホテルにいる東方神起の2人が偽物だとわかった僕は、警備をする気持ちも失せていた。

2人は、夕方大阪城ホールへ後輩の少女時代のライブに行くだけで
、それまでは特に予定もなく、ホテルで過ごすと聞いたので、僕は夕方まで自由にさせてもらうことにした。
出かける前に、僕はミルさんを呼び出し、先日父さんと、かきやんが訪れたハリハリ鍋の店に行くことを伝える。
「ユンミン君、一人で大丈夫なの?」
「はい。」
「私たちはいつでも出動の準備は出来てるから」
「ありがとうございます。何かあれば、すぐに連絡しますから援護お願いします」
「わかった。くれぐれも無茶はしないでね」
見送るミルさんを背に僕はタクシーへ乗り込んだ。


タクシーに乗り込んで20分ほどで目的地に到着した
まだ昼前のせいか、店は暖簾もかかっておらず人気も無かった
タクシーを降りると、僕は店の戸を開けてみた

鍵はかかっていなかった
ガラガラと引き戸をあけて中に入ると、僕は店内を見渡した
思いのほか狭い店内は、カウンターと奥に個室らしき部屋が一つ
綺麗に並んだ食器や鍋、コンロなどがまるでドラマのセットのように陳列されている。
その使用感の無さに、僕は疑問を抱いた。
父さんはここへ連れ込まれて、そのままどこかへ拉致されたのか・・・?

そのまま奥へと進んでみると、勝手口らしいドアがあった
外へと通じているであろうドアを開けようとした瞬間・・・

ガンッ!

鈍い痛みが僕の後頭部を襲った


「ユンミナッ!ユンミナッ!」
誰かが呼ぶ声がする・・・
頭が痛い・・・
「ユンミナっ!!!」
僕はゆっくりと目を開けた。
「大丈夫かっ!」
「・・・・やじ・・・・」

目の前には椅子に座らされ手足を縛られた親父の姿
ここは・・・・どこだ?
光の届かない地下室のような部屋で、僕も同じように椅子に縛り付けられていた

「とんだ鼠が迷い込んできたもんだ」
「お前は・・・」
「ふふ、名乗らなくても知っているだろう。タイムパトローラーさんよ」

キム・ジング・・・
こいつがDarkness Clawの工作員か

「君に邪魔されちゃ困るんでね。少し大人しくしてもらうよ」
そう言うとジングは手下らしき男に命じて、僕の口に粘着テープを貼らせた
「手荒な事はするなっ!」
「ふふ、この子の事が気になるか。当たり前だよな・・・」
ジングは含み笑いをしながら僕を見た
「まあいい。それより本題に戻ろう。さ、ここにサインをするだけだ」
いけない!サインをしちゃいけない!
僕は心の中で叫んだ

すると、親父の視線がテレビへと移動した
僕もその目線を追う

父さんだ!
やはり父さんも捕まっていたのか・・・

「まだ書く気にならないのか?」
親父の瞳がモニターに映った父さんの姿を悲しく捉えている
そして、意を決したように口を開きかけた時

Pupupu・・・・・

スマホの着信音が鳴り響いた

ジングはこちらをチラリと見た後、電話に出た
「はい。え?そうですか・・・くそっ!分かりました。一度そちらに戻ります」

簡単に要件を済ませたジングは親父に向かって言った
「君はラッキーだね。少し考える時間が出来たようだ。私は急用で韓国に一旦もどる事になった。明日にはこちらへ戻ってくるから、ゆっくり考えたまえ。」
不気味な表情をたたえながら部屋を後にするジング

残されたのは僕と親父、そして見張りの男だったが、男も誰かとの電話の後に部屋を出て行った。

「ユンミナ・・・大丈夫か?」
父さんが僕に声を掛ける。
声を発する事のできない僕は、頷いた。
「君は、あの男を知ってたの?」
親父の問いかけに僕は返事を躊躇した
「さっき言ってたよね。名乗らなくても知っているだろうって。そしてタイムパトローラーって何?」
答える術を持たない僕・・・
「答えられないよね。それじゃ・・・」
僕に向けられた親父の瞳は、この前向けられた疑惑の色ではなく、優しい、慈しむような瞳だった

「じゃあ、別のことを聞こう。昨日京セラのライブはあったの?」
僕は頷いた
「俺たちの偽物がライブをやったってこと?」
再び僕は頷いた
「顔も声も全て同じの俺たちがいたの?」
親父の顔色が徐々に変わっていく。
この時代ではありえない事だ。ロボットは存在しているが、
東方神起としてステージに立ったアンドロイドのように精工に出来たものは存在しない。
「不思議だ・・・今の時代ではありえない出来事が起こっている。君は一体どこから来たの?」
僕の瞳をじっと見つめて問いかける親父。

そうだ・・・僕は生まれてから20年間、ずっとこの暖かな瞳に守られて育ってきた。
なのに、僕は親父達を守ることが出来なかった

目の前の親父の姿が滲んでくる
「ユンミナ・・・?」
思わず涙ぐんでしまった僕を見て心配そうにしている親父
「どこか痛い?」
僕は力一杯首を横に振った。
堰を切ったように溢れ出てくる涙・・・

その時、ジングの手下が戻ってきた

縛られたままの親父の腕をめくり、点滴の針らしきものを刺そうとしている
「何をするんだっ!」
触れさせまいとする親父
「心配するな。ただのカロリー補給の点滴だ。ジングさんが戻るまでに倒れられちゃ、俺が困る」
手下は手早く点滴の針を親父の腕に刺し、薬液を注入した。
「チャンミナは・・・あいつは大丈夫なのか?」
「痛めつけたから、打撲の痛みが残っているはずだが、それ以外は大丈夫なはずだ」
「にしても何故あんなにぐったりしているんだ」
「あいつは点滴を打たせてくれないんだ。サインをした事を後悔しているのか、ずっとユノごめん、ユノごめんって口走ってるよ」



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